第31章 絶対に彼だ!

白石菜々緒は鼻を鳴らした。嫌味の一つでも言ってやりたいところだったが、福田祐衣が病気療養のために二年間も音信不通だったことを思うと、どうしても非情にはなれなかった。

とはいえ、口調はどうしても刺々しくなってしまう。

「なによ。私みたいな小物が、大忙しのあなたを助けるなんて」

「もう、菜々緒ったら。拗ねないでよ。うまくいったらご飯奢るから、ね?」

福田祐衣が無意識に甘えた声を出すと、二人が毎日顔を合わせ、何でも話し合っていたあの頃に戻ったような錯覚に陥る。

白石菜々緒という人間は、実にチョロいのだ。

福田祐衣が下手に出ると、彼女はすぐにツンとした態度で「ん」と答えた。

「わかった...

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